障害年金の年齢制限

障害年金は、基本的な対象者を20歳以上65歳未満とし、障害等級1級、2級または3級の方に支給される年金です。障害等級に基づいて支給額が決まります。年齢を重ねて老齢年金が受給できるようになれば、障害年金の請求は原則としてできません。ただし、障害年金には特殊な例外があります。

特殊な例

簡単に申し上げると、障害認定日が65歳前であった方や、65歳前に障害等級が上がった方などが該当します。

・障害認定日請求

障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月経過した日のことです。障害認定日の時点で障害の状態が障害認定基準以上にある場合に、障害認定日請求ができます。

初診日が65歳の誕生日の2日前までであり、その初診日から1年6ヶ月以内であれば、年齢が65歳を超えている方でも障害年金を請求でき、請求が通れば受給できます。ただし、障害認定日請求を行う際は、障害認定日から3ヶ月以内の診断書が必要です。

また、国民年金の高齢任意加入者は、初診日から1年半以上が経過していれば、65歳以上でも障害認定日請求ができます。ただし、事後重症の請求は認められません。

高齢任意加入とは、国民年金の未加入期間や未納期間などがあり、65歳までに国民年金を受給できない方に対する制度です。65歳以上70歳未満かつ年金制度未加入の方は、納付月数が120月に到達するまで国民年金に加入できます。

・基準障害請求（初めて1級・初めて2級）

既に3級以下の障害がある人が、新たな病気やケガ（基準傷病）によって、65歳になる前日までに1級または2級の障害になった状態です。この場合も、年齢が65歳を超えていても、障害年金を請求できます。

・額改定請求

既に障害年金を受給している方が、障害の状態が悪化した場合に、年金の支給額の見直しを請求できます。障害の進行に合わせて適切な支給額を確保するために大切な手続きです。

65歳になる前に1級または2級の障害等級に該当したことがある方は、65歳以降の方も額改定請求を行えます。ただし、障害の悪化を証明する医師の診断書が必要であり、支給額の増額は悪化した分に限られますので、注意してください。

障害年金は、通常では65歳以降は受給が難しいですが、上述した例外的なケースについては、特定の条件を満たせば65歳以上であっても障害年金の請求と受給が可能です。ただし、個々の状況によって請求が可能かどうか変わってきますので、具体的な請求の可否を確認する際には、社会保険労務士など専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。