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てんかんとは?

てんかんは、世界保健機関(WHO)の定義では、「さまざまな原因で起こる慢性の脳疾患で、大脳神経細胞の過剰な放電に由来する反復性発作を主な特徴とし、これに多様な臨床症状および検査所見を伴うもの」とされています。てんかんの有病率は人口の0.3~1.0%で、わが国には、約100万人の患者がいると推定されています。

けいれんや意識障害の発作が一度限りではなく反復され、その結果として一部のてんかんでは、知的低下や精神症状(うつや幻覚妄想、迂遠や粘着)を発現し、発作が奇妙な行動に見える場合があり、精神科で扱う疾患とされてきたが、最近では小児科が成人以降の患者も担当し、あるいは神経内科や脳神経外科が担当することが多くなっていきています。

てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類てんかん発作等に分類されますが、具体的に出現する臨床症状は多彩です。また、発作頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制ができないものまでさまざまです。さらに、てんかん発作は、その重症度や発作頻度以外に、発作間欠気においても、それに起因するさまざまな程度の精神神経症状や認知障害などが出現します。

てんかんで障害年金を請求するには

てんかんは、その原因や発症年齢、発作の症状などが様々で、その予後(将来の見込み)も対応によってて異なりますが、障害年金の対象となるのは「難治性てんかん」と「てんかん性精神病」に分かれます。難治性てんかんとは投薬によって症状が抑えられないもので、薬を飲んでも発作が生じてしまうことから労働や日常生活が制限されている方に対し、てんかん発作の頻度に応じて(下記参照)、1級~3級の障害年金が支給されます。

てんかん性精神病とは発作は治まったが、その後も被害妄想や抑うつ気分といった症状が出現するものです。てんかん性精神病の場合は、発作はなくても、精神症状による労働や日常生活の制限の程度に応じて、1級~3級の障害年金が支給されます。

てんかんによる障害年金の認定基準

各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりです。

障害の程度

障害の状態

1級

十分な治療に関わらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの

2級

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作AまたはBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの

3級

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のAまたはBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの

 

(注1)発作のタイプは以下の通り

A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作 

B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作 

C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作

D:意識障害はないが随意運動が失われる発作 

てんかんの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定されます。

様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療および病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定されます。

抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制されている場合は原則として認定の対象にならない、とされています。また、てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合認定の取り扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定されます。

てんかんのケースでは、上記のA~Dの発作の重症度と頻度に加えて、発作が起きていない状態においても、精神神経症状や認知障害などが出現することが認定の基準とされています。裏を返すと、うつ症状などの精神症状を伴わないてんかんは、認定されにくいということです。実際に、他の精神疾患に比べて軽くみられがちな事例が後を絶たないのが現状です。