診断の重要性

障害年金を受給するためには、医師と積極的にコミュニケーションを図り、適切な診断を得ることが必要です。医師による正式な診断書は申請の際の重要な証拠になり、障害の程度や日常生活への影響を示すために用いられます。精神障害の種類や症状に応じて、どのように日常生活や労働に影響があるかを適切に反映してもらう必要があります。日常生活や仕事にどのような影響があるかを具体的に詳しく伝えることがポイントです。

初診日の確認

障害年金の申請において、「初診日」の確認も重要なポイントです。精神障害で初めて医師の診療を受けた日である初診日の日付が、障害年金の受給条件に影響を与えます。

初診日を証明するためには、初めて医療機関を受診した際の診断書や受診状況等証明書が必要です。複数の医療機関に受診歴がある場合、最初に受診した医療機関での初診日の証明が求められますので、初めて受診した医療機関と連絡を取り、初診日の証明を取得する必要があります。

また、精神障害の種類や状態によって、以下のように初診日が異なる場合もありますので注意が必要です。

・知的障害を伴わない精神障害の場合

初診日は最初に発達障害などの精神障害が診断された日です。この日付が障害年金の手続きや判定に用いられます。

・知的障害を伴う精神障害の場合

知的障害の診断がある場合、初診日は「生まれた日」になります。精神障害と知的障害の経過を考慮するためです。（知的障害が軽度の場合は、別疾患にすることもあります）

・精神疾患での診断が発達障害の診断の前に出ている場合

他の精神疾患（うつ病または統合失調症）の初診日が発達障害の診断前にある場合、初診日は発達障害で初めて受診した日ではなく、「精神疾患の診断がされた初めての日」となります。異なる医療機関で受診した場合は、精神疾患で初めて受診した医療機関へ確認が必要です。詳細は個別判断による場合がありますのでお問い合わせください。

障害の等級と認定基準

障害者手帳と障害年金の等級は関係ないのが原則です。障害年金の認定は認定基準に沿って審査されます。精神障害の場合は、精神障害者保健福祉手帳が交付されますが、手帳が3級の人が年金の請求をして2級になることもよくあります。年金の等級は手帳の等級を決定しますので、年金の等級が確認できる書類を手帳の窓口に提出すれば、年金の等級と同じ等級の手帳が交付されます。

正確な申請・添付書類の提出

障害年金の申請の添付書類の一つである診断書は、自分の症状や日常生活能力などが正確に反映された内容でなければなりません。
また、必要な情報を「病歴・就労状況等申立書」に記入し、漏れや不備がないよう注意が必要です。障害の状態を効果的に伝えることができる資料の添付が必要な場合もあります。専門家のサポートを受けることも検討すると良いでしょう。

審査結果の確認と対応

申請後は審査結果の通知が届きますが、審査結果に不服がある場合は審査請求や再審査請求などの不服申し立ての手続きも可能です。ご自身の権利を守るためにも、適切に手続きを行う必要があります。