先天性の心臓疾患で社会的治癒が認められ、5年前の再発の共済加入期間を初診日として障害共済年金3級が受給できた事例

年代:50代

住所:兵庫県

傷病名:心室細動

決定した年金と等級:障害共済年金3級

受給額:年額 

相談内容

当事務所のHPをご覧になって奥様よりお電話でお問い合わせいただきました。大学卒業後、ずっと公務員としてお仕事をされている方でした。もともとは先天性の心臓疾患で、大動脈弁狭窄症は17歳の時に、胸部大動脈瘤は41歳の時に手術によって根治していたとのこと。年に数回の検査による経過観察の受診では問題がない状態で、運動制限は特になく、怪我に気をつけながらの日常生活ではあるが、就労制限などはなく一般職員と変わりなく就労されていました。5年前に心室細動を起こして救急搬送され、その後S-ICD植え込み手術を受けられました。退院後は、4ヶ月ごとに機器のチェックのため受診や、年に1回エコー検査、CT検査を子行っているが今のところ問題はなく、就労状況や日常生活状況は手術前と同様であるとのことでした。障害年金を受給することができるのかとのことでした。

しばらくお時間をいただき、受給の可能性を考えました。

そして・・・。5年前にS-ICD植え込み手術をされていますが、通常ならば先天性の心疾患であるために20歳前障害となり、3級相当であるので、障害等級には該当しないと思われること。再発まで通常の日常生活、就労などであったとのことお聞きしたため、社会的治癒を主張して共済加入中の再発が初診日として認められた場合は3級の障害年金が受給できる可能性があることをお伝えし、受任となりました。

 

相談から請求までのサポート

まず、先天性の傷病としてずっと同じ病院で受診をされているため、受診状況等証明書の取得ができました。今回は、再発の受診を初診日とするため、再発の救急搬送された病院で受診状況等証明書を取得し、S-ICDの植え込み手術をした日を認定日として、その時点の診断書と直近の診断書の取得を依頼しました。社会的治癒を主張するため、同僚の2名に再発するまでの仕事の状況について就労や日常生活に支障がなかった旨の社会的治癒に関する第三者証明をいただきました。再発するまでは特に積極的な治療を必要とするような状態ではなかったことの確認として念のため再発までのカルテの開示請求を行いました。病歴・就労状況等申立書においても治療の経過についてしっかりと日常生活の申し出として社会的治癒を主張して記入をしました。

結果

共済組合の期間中の再発の初診日が認められて遡及して認定日請求が認められました。障害共済年金3級の受給となり、大変喜んでいただけました。

国民年金の加入中の初診日で3級相当であるためにあきらめておられる方も治療の必要がない状態が5年程度以上続いて、再発した場合は、社会的治癒が主張でき、障害厚生年金として請求できる場合がありますので、お問い合わせくださいね。